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2019.07.21

「自家消費の課題③「キュービクル接続問題」【社長BLOG】」

東京に自然エネルギーの森をつくる~たまエンパワー代表の山川勇一郎です。

さて、今まで「自家消費5つの課題」の2つに触れてきました(詳細はこちら
今回は高圧施設の自家消費に欠かせない「キュービクル接続」に関することに触れます。

基本的なことですが、高圧施設では6600Vで配電網から電気を引き込み、敷地内のキュービクル式高圧受電設備(通称:キュービクル)で100Vか200Vに減圧して施設に供給しています。キュービクルは高さ約2mのクリーム色っぽいスチールの箱で、どなたでも見覚えがあるはずです。
小さいものはコンビニくらいの規模から、マンション、商業施設、ビルなどは大抵「高圧契約」となります(もっと大きいものは特別高圧という別の契約になります)

高圧施設で太陽光の電気を自家消費する場合は、一般的にはこのキュービクル内の盤のどこかに接続することになります。高圧施設の電気設備は電気主任技術者の選任が電気事業法上義務付けられており、設備の管理はすべてこの主任技術者が行うことになっています。
従って、あとから太陽光発電設備を増設する場合は、主任技術者との協議の元、保安管理に支障のない形で設備を増設することが大前提となります。

基本的に三相パワコンを動力側に接続(容量が小さい場合は単相パワコンを電灯側に接続するケースもあり)しますが、増設した設備で漏電などのトラブルが起きた場合、施設内の電力系や他の設備に影響を及ぼさないよう、OVGR(地絡過電圧継電器)やZPD(零相電圧検出装置)などの設置が必須となり、復帰方法や停電時のバックアップを含めて、設計する必要があります。また、逆潮流をするかしないかでも設計は変わります。逆潮流ありの場合は電力との詳細の高圧連系協議、逆潮流無の場合ではRPR(逆電力継電器)の設置とその復帰方法などの追加的機器の設置が必要です。

これら一連の高圧一次側の電気工事は第一種電気工事士の有資格者であることが大前提です。また、受電設備の改造は原則として全館停電作業となるので、保安日と合わせたり、そうでなけば施設の支障のない夜間早朝に行ったり、冷凍冷蔵設備など24時間稼働の設備がある場合は予備電源など、停電作業に伴う一連の準備が必要となります。

このように、高圧施設における太陽光発電の自家消費は、FITに則った全量売電事業と比べて、既存の高圧電気設備に関する一連の知識と、それを扱う技術と経験が必要となります。
しかし、配電盤製造メーカー、大手施工会社、公共施設の請負業務を行っている業者などにはこうした技術と経験を持った技術者はいるものの、その数は圧倒的に不足しています。またこれらの技術者が太陽光発電に関する知識を持っているとは限りません。
また、受電設備の改造は一定の費用がかかってくるため、小さな設備だと相対的に割高になってしまい、太陽光発電システム自体の価格は続落しているものの、トータルで見るとコスト高になってしまう傾向があります。
高圧自家消費を手掛けている、または手掛けようとしている事業者は、上記を留意して進める必要があります。

このような課題に対して、弊社では自社で自家消費太陽光の設計と、技術と経験を持つ配電盤製造および改造を手掛ける専門業者とアライアンスを組むことで対応しています。
「自家消費太陽光に参入したいが受電設備への接続工事の経験がない」というEPC事業者様、
「自家消費太陽光をやりたいが、対応できるEPCが見つからない」という販社様、
「自家消費太陽光を導入したいが、どこに相談したらよいかわからない。または相談したができないと断られた」という需要家様などはぜひ相談ください。

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