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2019.05.19

自家消費の課題①「負荷パターン問題」【社長BLOG】

東京に自然エネルギーの森をつくろう・たまエンパワー代表の山川です。

前回の「自家消費の5つの課題」を書きました。(バックナンバーはこちら
これらの課題は一つ一つそれなりに深いものなので、深堀りしていきたいと思います。
今回は、「負荷パターン問題」です。

電気工学では、何らかの装置が供給する電流やエネルギーを消費するものを「負荷」と呼びます。

建物の屋根上に太陽光発電設備をつけて自家消費する場合、発電した電気をそのまま建物に流して消費します。建物の負荷パターンは建物の性能や使用形態、季節によって異なります。
夏・冬は冷暖房の負荷が大きくなるため、全体の電力消費量が上昇するのが一般的です。
一方、太陽光は3〜5月が一番発電しますので、負荷と発電のグラフは下記のようになります。
負荷カーブ1.png

では、「屋根が広くて太陽光パネルがたくさん置ける」という理由で発電容量を増やしたらどうなるでしょう。下記のように、5月の晴れの日は余ってしまいますね。
負荷カーブ2.png

オフィスや工場で土日は負荷が少ない場合や、学校の夏休みなど長期の休みの場合は、同様に電気が余る可能性があります。
負荷カーブ3.png

余った電気はどうなるのでしょう。建物内で消費しきれない電気を系統(=電力網)に流す場合、電力会社との協議が必要となります。協議によっては系統側が受入不可で、流さないように指示される場合もあります。

その場合、逆潮流防止装置(RPR)をつけることが義務付けられていますが、RPRとは系統に流れそうになると強制的にパワコンのスイッチをOFFにします。パワコンはおよそ180秒後に再起動しますが、その時点で太陽光>負荷だとまたパワコンがOFFになってしまいます。そうすると上記のように発電するはずの時間帯が機会損失することになります。

それを回避しようとして、最小負荷に届かないような控えめの太陽光の設備容量にすると、負荷によってはほとんど太陽光がつきません。
小さな設備だと設備の設置費用は割高になる上に、効果も限定的になり、何のためにつけたのかわからなくなってしまいます。

このような課題を回避するために、負荷パターンを把握し、屋根上の設置可能な設備容量を照らし合せ、逆潮流可能かどうかの確認を行った上で、経済性評価を行います。
そうして太陽光の最適な容量を割り出し、設備の保安管理者とも協議しながら、電気回路を設計していく必要があります。
今は発電側と負荷側をセンシングしながらパワコンの出力を絞るような装置も出てきており、そうした機器も活用するのも手でしょう。

これらのプロセスを一歩間違えると「発電するはずだったのになぜか発電しない!」ということが起きてしまいます。特に屋根が広い割には負荷が少ない、あるいは平日/休日、もしくは長期休みがある、などの負荷パターンの変動が大きい場合は注意が必要です。

弊社は上記のような経験から、発電と負荷の最適化ツールを独自に開発して既にサービスリリースしていますが、お客様にとって屋根を効率よく使えて、利益が最大化するような提案が求められています。
図1.jpg