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15年目の3.11に寄せて
もう15年経ったのか。15年という歳月は人々の記憶を風化させ、追憶の彼方に追いやるのだろうか。
この15年の日本のエネルギー政策を巡る政治は、振り返れば「激動」の15年であったと言える。特に、原発政策に関しては「迷走」と呼ぶに相応しく、それは世論を二分しながら現在も続いている。それだけ「エネルギー」が、国家にとって、人間にとってなくてはならない重要なものである証左と言える。
私たちは3.11後に屋根上の太陽光発電事業を興し、その後、農業とのハイブリッド事業であるソーラーシェアリングに参入し、今に至る。そのあゆみもまた、国の政策同様、順風満帆ではなく、激動・迷走・困難の連続であった。ただ、地域共生・農業主体を旗印に進めてきたソーラーシェアリング事業も最近は多方面から評価いただけるようになり、事業としても軌道に乗り始めた。
目下、生活クラブとの2メガワットクラスのオフサイトPPAプロジェクトに係る電源開発と、その下での営農体制の構築に取り組んでおり、新たなステージに入ろうとしている。
その中で先日、「新たなソーラーシェアリング時代の序章」と題した論説をさがみこファームのNoteで公表、大きな反響をいただいている。これはこれからのソーラーシェアリングの進むべき道についての指針であり、事業展望である。
私は、ソーラーシェアリングは次の時代の一次産業を担う重要なピースになり得ると思っている。この6年間の実践を通じて、仮説はほぼ確信に近いものに変わった。それは発電を主目的にするのではなく、あくまで農業を主体としながらも、露地栽培・ハウス栽培などに並び立つ、インフラ機能を持つ次の時代の農業である。
しかしながら、ソーラーシェアリングの事業環境は必ずしも順風ではない。現在、農水省では「望ましい営農型太陽光発電のあり方検討会」で検討が進められている。議論の経過をつぶさに見ると、悪質な事例を意識した規制色が強いものになっており、必ずしも未来のソーラーシェアリングの可能性を拓くようなものではないように思える。
ただ、激動の世の中にあって、人間社会の根幹を支える食とエネルギーを自国・地域で自給すること、それを産業として確立することは、日本において最も重要なテーマのひとつであることは疑いようもない。
特に、中山間地域における持続可能な農業のあり方については、大規模農業法人による集約・集積化だけでない方向性を模索すべきである。
規制と推進のバランスを取りつつ、どのように新たな産業を育てていくのか、これまで以上に知恵が求められていると言えよう。
ソーラーシェアリングは様々な分野に跨る取り組みのため、複雑で困難なことは多い。ただ、安定政権だからこそ、大胆に横串を刺す政策を進められるはずだ。今後の政権運営に期待したい。
私たちは、現場を担う事業者として、これまで進めてきたことを軸に、インフラ機能を持つ次の時代のソーラーシェアリングを創り、拡げることに集中する。その先に未来が拓けるだろう。それを日本全体に、そして世界に広げていく。それが次の10年の目標である。
みなさま、引き続き、よろしくお願いします。
たまエンパワー株式会社 代表取締役 山川 勇一郎