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2022.03.11

3.11から11年~地域共生の新たな形を目指して

東日本大震災から11年が経ちました。

11年という歳月は未曽有の原発事故の記憶すら次第に風化させつつありますが、ロシアのウクライナ侵攻など、世界は益々不安定化していると感じます。だからこそ、私たちは悲惨な事故の当事者として、エネルギーとの向き合い方を世界に示していく必要があると強く感じます。

一昨年、コロナ禍の緊急事態宣言下に、弊社主催で「新しい時代をしなやかに生き抜くためのオンラインゼミ~エンパワーライブ寺子屋」を開催しました。各界のトップランナーである変人ゲストとの対話の中で、彼らの共通認識は、「世界で起きている変化はコロナの前から既にあり、コロナ禍でそれが加速しただけである。」というものでした。
大きな変化の起点の一つが「気候変動」です。

世界は脱炭素社会構築に急速に舵を切っており、それは社会システム全体の見直しを含む大きな歴史的転換になるでしょう。そのために、化石エネルギーを再生可能エネルギーに転換していく必要がありますが、日本の再生可能エネルギーの比率は全電源の18.5%(2019)程度に留まっており、目標値を達成するには圧倒的に足りません。

昨年あたりから、国も、自治体も、企業もようやくエンジンがかかり始めたと感じますが、現場で実際に再エネを進めようとした時、必ず当たる大きな壁が「地域」です。
再生可能エネルギーは小規模・分散が特徴であるがゆえ、多くの人と地域が当事者になります。2012年にはじまったFIT制度により、太陽光発電は爆発的に拡大し、価格は低下しました。一方、太陽光発電を巡る地域住民と事業者とのトラブルが多発し、太陽光発電はマイナスイメージが定着してしまったのは皮肉としか言いようがなく、業界の人間として非常に苦々しい思いを抱いています。

私たちは、地域主導での太陽光発電の開発、他地域の支援、自治体の計画づくりの側面支援などの経験から、環境・社会・地域・需要家・事業者それぞれにとって、よりよい再エネ事業の形を模索し続けてきました。その一つの解が「ソーラーシェアリング」です。
ソーラーシェアリングは農地の上にすき間を空けてパネルを設置し、発電と農業を同時に行う取り組みで、農業とエネルギー問題を同時に解決する手段として注目されています。

弊社は、この技術を基盤として、私たちなりの「地域共生型ソーラーシェアリング」の形を3年間かけて試行錯誤をしながら創ってきました。もはや再エネであるだけではダメで、"地域共生型再エネ"でないと受け入れられない時代が来ていると感じます。
詳細は別の機会に譲りますが、脱炭素社会をつくるための強力なツールになると思っています。

世界は大きな社会変化の渦中にあり、再生可能エネルギーへの転換は必須です。
私たちは、こうした転換の起点になれれば、とささやかながら思っています。

参考資料(「さがみこファームNote」より)
発電事業者である前に、農業者であること。
私たちの発電所を紹介します
エネルギー基本計画とソーラーシェアリングの可能性
自然エネルギーのつくり方
SBGはぼくたちの作品だ