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2020.02.16

産業用自家消費における電気主任技術者との付き合い方【社長BLOG】

東京に自然エネルギーの森をつくる・たまエンパワー代表の山川勇一郎です。

今回は、自家消費太陽光発電を行う際の電気主任技術者との付き合い方についてです。

まず基本的認識として、高圧の電気の取り扱いは危険を伴うものであり、ひとつ間違えば死に至ります。また、事故が起きれば施設の全停電や系統にも影響を与える可能性もあるため、高圧受電施設では適切に電気設備を保安監督することが電気事業法で義務付けられています。こうした電気設備の保安監督をする役割の人を「電気主任技術者」と呼び、電圧によって「第一種(制限なし)」、「第二種(17万V未満」、「第三種(5万V未満)」の3つに資格分類されています。
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従って、工場や病院やビルなどの施設に太陽光発電をつけようとする場合、太陽光発電は電気主任技術者の保安監督下におかれますので、設置に当たって主任技術者との協議が必須となります。

設計は施設ごとに異なりますが、一般的にはRPR(逆潮流継電器)やCT,VTなどを高圧盤に、太陽光用ブレーカー、ZPD(零相電圧検出装置)、OVGR(地絡過電圧継電器)、バックアップ電源、EMS、通信線などを低圧二次側のキュービクル内に設置する形になります。機器の種類や取付位置、離隔が取れているか、保安上支障のない形で設置されているか、安全装置が機能するか等を主任技術者がチェックします。その際、保安安全上の観点から改善措置などを求められる場合もあります。

太陽光業界は今、急速にFITから自家消費へのシフトが進んでいます。
特に土地付き低圧太陽光の販売中心に事業を拡大してきたEPCにとって、既存の高圧施設のキュービクルに接続する自家消費の太陽光発電設備は営業・設計・工事・保守・保安に至るまでFITとは全く別物と考えて差し支えないと思います。
FITでは特措法で様々な例外規定が設けられています。自家消費太陽光は「本来の」電気設備として太陽光を扱うということに他なりません。あくまでFITが例外なのです。FITの延長で捉えていると、大事故につながりかねないので注意が必要です。

大切なのは、太陽光発電を設置するEPCが、高圧施設の仕組みやリスクをしっかりと理解した上で、知識と技術を身につけること。知識や技術や経験が足りなければ、専門業者と組んで事業を実施することです。また、主任技術者の役割や行動原理を理解した上で協議をすることも重要です。主任技術者と良い関係を築くことで、設置工事の際にも側面協力してくれます。

再エネを国の基幹インフラに育てていくためには、再エネを長期にわたって安全に運用していく必要があり、高圧設備では適正な保安・管理が必須です。その役割を施工側がしっかりと理解すること、逆もしかりで主任技術者側も急増する太陽光業界への理解が求められます。そして、立場は違えどエネルギーを守り育てる同志として「One team」で進んでいくことが求められると感じます。

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