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2019.04.14

SDGsと再生可能エネルギー【社長BLOG】

東京に自然エネルギーの森をつくる・たまエンパワー代表山川です。

今日はSDGs(エスディージーズ)のお話です。
昨今メディアでSDGs(Sustainable Development Goals)という言葉をひんぱんに耳にするようになりました。
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2015年にパリ協定が発効されたのを契機に、世界の潮目は変わり、脱炭素を前提とした「次の社会」に向けて、世界は急速に動き始めています。

パリ協定SDGsについては、既に色々なところで語られていますので、ググってもらえればたくさんヒットしますので、そちらをご覧ください(笑)

ただ、2度未満とか1.5度といった数字以上に決定的に重要なことがあります。
パリ協定の本質」は一体何なのでしょうか。

パリ協定では、「Climate Justice」という言葉が用いられています。直訳すると「気候正義」。つまりこれは、気候変動を引き起こすものは「悪」で、それに立ち向かうのは「正義」だということを意味します。日本人的感覚だと違和感を覚えるくらい、強烈な表現です。

様々な意見がありますが、これは明確な政治的な意思決定です。「世界のリーダーがそう決めて196か国が合意した」ことが決定的に重要で、これにより、「脱炭素」は世界の政治の共通目標になり、「再生可能エネルギー」は世界のメインストリームとなりました。まさに潮目が変わったのです。

SDGsは、このような流れを受け、国連が2030年までに達成すべき17のゴールを具体的に示したもので、「Transforming Our World(私たちの世界を変革する)」というコンセプトが掲げられています。
昔、「トランスフォーマー」という乗り物からロボットに変化する映画がありましたが、[Transform]という単語は、「社会システムが変わってしまう位の大きな変化」というニュアンスがあります。石炭から石油というエネルギー転換によって18世紀に始まった産業革命と資本主義は社会を大きく変えましたが、同時に富の集中による格差と貧困を生み出しました。今までの延長線上の緩やかな変化ではなく、あるべき未来から逆算してそこに向けて企業活動全体を組み替えるくらい大胆なシフトが求められていると言えます。
そのためにSDGsが掲げるコンセプトは「No one left behind(だれも置いてきぼりにしない)」、キーワードは多様性(Diversity)と包摂(Inclusion)です。

日本のメディアでは、残念ながらこのようなパリ協定やSDGsの本質をしっかり伝えているとは言えず、かつてのメセナ活動やCSRの延長のように軽く捉えられていますが、そうではありません。全ての企業が本業を次の時代に向けてどのように組み直すかが求められており、極論すれば、トヨタ自動車は2100年には自動車会社として存在しないかもしれない、そのくらい大きな変化がやってくるでしょう。

先日、京橋の東京建物のビルの中にある「City Lab TOKYO」で講演する機会がありました。ここは「持続可能な都市・社会づくりを行うためのオープンプラットフォーム」として、都市問題を解決するためにいろんな企業や団体が協働しはじめています。
2050年には世界の75%が都市に移住すると言われるほど、今後は世界的に都市化が進行するとされていますが、従来型の都市を周辺の農村が支える植民地型の都市・農村モデルには限界が来ており、都市を持続可能な形にTransformすることは人類全体の喫緊の課題と言えます。
ただ、それには建築や都市計画の分野からのアプローチはもちろん、エネルギーが特に重要な要素と言えます。この日の参加者は、エネルギー、建築、まちづくり、福祉など分野もキャリアも多種多様でしたが、SDGsを共通理解に、エネルギー的な視点を学ぶことで、様々なインスピレーションを受けたようです。

わたしたちが創業当初から掲げる「東京に自然エネルギーの森をつくろう」というコンセプトも都市部こそ持続可能性を高めるべきであるという考えから来ています。時代がようやく追いついてきた(笑)と感じますが、これからは様々な主体が共同・協働しながら社会・地域の持続性を高めていく必要があると強く感じています。

そしてその中心にあるのが「SDGs」です。

これは次の時代への生き残りをかけたチャレンジとも言えますが、いち早く取り組むことで、その過程で様々な別の主体との協働の必要性が生まれ、それが新たなビジネスの創出につながっていくでしょう。
SDGsをやらなくてはならない義務と捉えるか、ビジネスの機会と捉えるか、それは私たち次第です。