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2019.09.15

災害時には地域の太陽光発電を最大限活用しよう!【社長BLOG】

たまエンパワー代表山川です。
前回からだいぶ間が空いてしまいました。

台風15号の被害が予想以上に甚大で心を痛めています。
特に電力インフラがズタズタになり、1週間が経過した9月16日現在でも千葉県内で11万戸以上が未だ停電しており、復旧のめどが今月末にまでずれ込むところもあるようです。
樹木が倒れたり電柱が倒れたりして、送配電網が各地で被害を受け、復旧を遅らせているようです。
電気がないと携帯やテレビが切れて通信インフラが途絶えて情報不足になり、照明や冷蔵庫がつかないことで生活で極度に不便を強いられることになります。

Facebookで太陽光発電の停電時の電気の取り出し方を示したところ、80回を超えるシェアがあり、その有用性が意外と知られていないということを実感しています。

ここで改めてその有用性をお伝えします。

太陽光発電は屋根についているものも、野立てと呼ばれる地上置きのものも、パワーコンディショナー(通称:パワコン)と呼ばれる四角い箱で直流の電気を交流に変換して使えるようにしていますが、通常は「連系運転」というモードで送配電網とつながって運転しています。
それが、今回のように停電が起きるとパワコンの連系運転がストップし、待機状態になります。この状態でも日が照っていれば発電はしますが、電気はパワコンのところでストップしている状態になっています。蛇口を開けて散水ホースの出口で止めている状態のような感じと思ってもらえればわかりやすいかもしれません。
これを取り出せるようにするのが「自立運転」です。
パワコンごとに操作方法は違いますが、大抵は「自立運転切替スイッチ」があり、これを切り替えることで電気を取り出せるようになります。
以下に一例としてパナソニック社のパワコンの自立運転の方法を記載します。

自立運転手順.png


通常のパワコンは1台当たり最大1500W程度の出力が取り出せます。但し、これは日中日が照っているときに限られます。携帯の充電は15W、ノートPCは50~120Wですので、太陽光で十分に使えます。
液晶テレビは300~500W、電子レンジは1200W程度と電力を食うので災害時には不向きです。冷蔵庫は省エネ型なら150W程度ですが、常に運転しているので、日が照ったら発電しますが曇ったら出力が落ちる不安定な自立運転とはあまり相性が良くないでしょう。

なお、千葉県は野立ての太陽光発電が全国でも多い地域であり、こうした太陽光発電所は通常は連系運転をして売電をしていますが、停電時はやはり止まっていますし、復田していても意図的に自立運転に切り替えることもできます。
野立ての発電所オーナーは、自分の発電所が無事で動いているなら、こういう時こそ発電所を地域に開放したらどうかと思います。
野立ての発電所は低圧の小さな発電所でも通常パワコンが5~10台ありますので、そのうち半分でも開放してくれれば非常に有用です。
また、発電所にはオーナーの連絡先が記載されていますので、一般市民も少しの知識があれば、発電所オーナーに連絡をして電気を分けてもらうということもできるわけです。

太陽光は究極の分散型エネルギーで、送配電インフラがなくてもその場で発電してその場で使うのであれば、究極的にはパネルが生きていれば電気は取り出せます(無論、直接パネルから電気を取りだすのは現実的ではありませんが...)屋根置きの太陽光に蓄電池が併設されていれば更に有用です。

こうした資産はもっと注目されていいと思うし、電力インフラは地域のいわば「公共財」です。
従って、災害時こそみんなで電気をシェアすれば、みんなが助かると思います。